エシカルなパッケージに込めた想い


髪や頭皮はもちろん、地球環境にもやさしいことをコンセプトに誕生した「FUMIKODA BEAUTY」。

パッケージデザインを担当した、エシカルブランド「FUMIKODA」のクリエイティブディレクター 幸田フミがFUMIKODA BEAUTYについて語りました。

「FUMIKODA BEAUTY」誕生の背景

口に入れるものや直接肌につける製品に、一体どんな成分が含まれているのか?
私たちは日常生活の中で、それらをきちんとチェックする習慣が身についてきました。美味しさや効能が大切なことはもちろん、使い心地がよくて安心できるものを選びたいと思うからです。

シャンプーやトリートメントも同じです。毎日使うものだから、髪に潤いを与えながらできるだけ身体にやさしい製品を選びたい。そう思うのは当然です。

けれどもこれまでのシャンプーは、「頭皮の汚れを洗浄する」ことと、「髪に潤いを与える」というふたつの役割を同時に果たすために、様々な成分が添加されているものがほとんどでした。界面活性剤、シリコン、香料、防腐剤など、髪や頭皮に刺激を与えやすい化学成分です。

実際、ヘアカラーを重ねてきた私の髪や頭皮はそういった成分に敏感に反応するようになり、ダメージによるパサつきや、地肌のかゆみに長年悩まされていました。
かゆさに我慢ができなくなる度にシャンプーを変えていたのですが、化学成分が一切含まれていない製品は一般市場にほとんど流通していません。さらに自然成分由来のシャンプーは、髪にきしみを感じたりまとまりにくかったりといった印象を抱いていたので、心から納得できるシャンプーにめぐり会うことがなかなかできませんでした。


そこで出会ったのが、「100%ナチュラル成分」のシャンプーとトリートメントです。まだ実験室での開発段階でしたが、自然成分にこだわりながら髪に潤いを与え、ヘアドライしたあとに指どおりもよいとのこと。
半信半疑でサンプルを試させていただいたところ、思っていた以上に使い心地がよく、使い続けるうちに頭皮のかゆみに悩まされることがなくなったのです。

100%天然成分にこだわり、髪や頭皮にやさしく、使い心地も良い。そしてすべての成分は地球に還るので、環境にもやさしいはず。
このシャンプーなら、エシカルブランド「FUMIKODA」の製品をお使いいただいている皆様にもきっとご納得いただけるはず。そう確信し、「FUMIKODA BEAUTY」と名付けさせていただきました。

 

 「心地よさ」の前に立ちはだかるハードル

エシカルブランド「FUMIKODA」は、機能性とデザイン性を両立させながら、サステナビリティにも考慮した「スマートコンフォート」をコンセプトにバッグやアクセサリーなどを企画、製造しています。

髪や頭皮、地球環境にやさしい成分でつくられたシャンプーとトリートメントも、FUMIKODA製品同様「スマートコンフォート」なものであってほしい。そんな思いでパッケージづくりに着手しました。

理想は、地球の「ゴミ」にならないこと。生分解できたり、リサイクルが可能であったり、FUMIKODA BEAUTYを「スマートコンフォート」な製品に仕上げるために、よりふさわしいパッケージの可能性をさぐりました。
しかしそこには次のふたつの大きなハードルが待ち構えていたのです。

  1. ヘアケア製品に使用できる100%バイオマス(生物由来の資源を原料にした)や、生分解性(使用後に分解されて自然に還る)容器の選択肢がないこと
  2. ヘアケア製品に使用されているプラスチック容器に対するリサイクル法の規制がなく、家庭ごみとして廃棄され焼却されていること

よりエシカルな素材を開発するための技術は日々進化しているものの、循環型社会を実現に向けた仕組みづくりはまだまだ道半ば。100%ナチュラル成分のシャンプーにふさわしいエシカルなパッケージを提供できないことに、歯がゆさを感じました。

 

 今ある選択肢の中で、よりサスティナブルなものを

ものづくりの理想は、できるだけ環境にやさしい素材を使いつつ、ゴミを作らないことです。現状では100%理想のパッケージに仕上げるのはむずかしいのですが、私たちの前にある選択肢の中でベストなものを選びつつ、「スマートコンフォート」に近づけられるように努めていきたいと思っています。

FUMIKODA BEAUTYの容器には、生物由来の資源を原料にしたバイオマス成分が20〜25%含まれたPET素材を使用しました。製品の劣化を防止するために容器に加色していますが、環境に配慮して、できるだけ不要な装飾を控えています。
そして、使い終わった容器はリサイクルするためFUMIKODAショップにて回収する試みをはじめました。今後容器回収のスポットを増やしていく予定です。

「化粧箱」と呼ばれる外箱には、FSC®認証を受けたバガスパルプ配合のハイブリットバガスFSを使用しました。
バガスパルプとは、サトウキビの搾りかすを活用して製造されたパルプのこと。バガスとは、製糖工場で砂糖を搾った後に発生する農業副産物で、限りある森林資源の 持続可能な利用を図る上で貴重なバイオマス資源です。こちらもできるだけ装飾を抑え、シンプルなデザインに仕上げました。

また、製品を紹介するリーフレットや紙袋などの素材にも、リサイクル資材が使用されているものを選んでいます。

心地よさを感じてもらうために、華美に飾り立てる必要はない。むしろ無駄を無くし、環境負荷をできるだけ軽減させた商品のほうが、使っていて気持ち良いはず。
そんな思いでFUMIKODA BEAUTYのパッケージをデザインしました。

どうか皆様に、心地よさを感じていただけますように。

 

FUMIKODA クリエイティブディレクター
幸田フミ